インフルエンザ予防接種の説明
以下はインフルエンザの予防接種の説明です。
今年もインフルエンザの予防接種の時期になりました。
本年度の特徴は、2歳以上で18歳以下だけが対象の、注射ではない点鼻型生ワクチン(=フルミスト)が使えるようになることです。
生後6ヶ月から接種は可能で、注射の場合は、2歳以下が1回0.25mlの2回接種、3歳以上で12歳以下が1回0.5mlで2回接種、13歳以上が1回のみの接種となります。
2回の接種はおおよそ3~4週間空けて接種します。
初回接種の年齢で接種量と回数が決まりますので、例えば1回目が2歳で2回目が3歳でも投与量は一回0.25mlですし、1回目が12歳で2回目が13歳でも、2回接種となります。
子供さんと一緒にその保護者の方も予約は可能で接種ができます。
他の予防接種と比べると確かにその予防効果は劣りますが、他に予防するべき手段がありませんので、積極的な接種をお勧めします。
注射型でも点鼻型でも、新型コロナウィルスワクチンや他のすべての予防接種との同時接種も可能です。
もともとは、年末から流行し始めて春には落ち着いていたインフルエンザですが、十数年前からは冬場の流行と春から夏にかけてインフルエンザの数回の小流行がありました。
熱帯や亜熱帯の地域では、以前からインフルエンザは年に2回(雨季と乾季に)流行することが知られていますので、亜熱帯の沖縄ではインフルエンザが年に数回流行しても不思議ではないです。
4年前に新型コロナウィルス感染症が流行し始めてからは、インフルエンザの患者さんがほとんどいない状態でしたが、新型コロナウィルス感染症が少し落ち着いてからはまたインフルエンザが流行し始めています。
インフルエンザは予防接種が重要だ、と考えます。
インフルエンザの予防接種は冬に1回だけ流行することが前提で作られていますので、年に1度の接種です。
A型が2系統(いわゆるA新型インフルエンザ系統、A香港型系統)、B型も2系統(Bビクトリア系統、B山形系統)の合計4系統が含まれる(=4価)のが、現在のインフルエンザワクチンです。
昨年度からWHO(世界保健機構)は3価(Aが2種類とBが1種類)のワクチンを提唱していますが、それは新型コロナウィルスが流行した結果としてB型の1系統の山形系統は絶滅した、と考えられているからです。
実際に本年度からはアメリカではインフルエンザワクチンは全て3価となっています。
毎年南半球の流行状況を見て、WHOがインフルエンザの予防接種の内容(株)を勧告して、北半球の各国がその国の事情に応じて内容を決定して、主に鶏卵を使って作るものです。
なので、ワクチンの内容・組成は毎年少しずつ変化があります。
フルミストは、当院では輸入品として2013年から使用してきたflumist(アメリカでは2003年から使われています)の国内版であり、両方の鼻腔に01mlずつ霧(=mist)を噴霧するインフルエンザ(=flu)生ワクチンで、注射ではありませんので痛みがないのと1回で済むこと、弱毒性の生ワクチン<抗体が長持ちすることが期待できる>であること、が優れている点で、当院はそれをより強く推奨します。
注射製剤のワクチン自体には、卵の成分はほぼ含まれていない(大体4~5ナノグラム/ml、つまり3歳で接種したら一回に2~2.5ナノグラムで、”ナノ”は10億分の1を表します。卵アレルギーで敏感な人は1mgの摂取でも症状がでる、と言われていますから、ワクチンにはその100万分の1程度しか卵の成分が含まれないのです。)ので、卵アレルギーのある方でも安全に接種できます。
アメリカでも、AAAAI(米国アレルギー喘息・免疫学会)やAAP(米国小児科学会)などは連名で、インフルエンザの予防接種を受けるときには卵アレルギーは特段考慮することもない、と声明を出しています。
なお、輸入品ではありますが、2歳以上で49歳以下が適応の1回のみの点鼻型生ワクチン(生インフルエンザワクチン)のflumistも今年度も準備中です。
2歳から18歳の方はフルミストを選択してください。
flumistは11月初めに入荷の見込みです。
フルミストもflumistも3価です。
卵アレルギーがあってもフルミストやflumistは接種できます。
従って年齢よっては注射や点鼻の回数と適応が異なり、まとめると、
生後6か月から1歳まで ;2回の注射
2歳以上で12歳まで ;2回の注射、または1回の点鼻(フルミスト)
13歳以上18歳まで ;1回の注射、または1回の点鼻(フルミスト)
19歳以上で49歳以下 ;1回の注射、または1回の輸入品の点鼻(flumist)
50歳以上 ;1回の注射
となります。
参考までに、2024~2025年のWHO(世界保健機構)の推奨株は3価で、アメリカCDC(疾病予防局)はそれに従い、、
①A/Victoria/4897(H1N1)pdm09-like virus
②A/Thailand/8/(H3N2)-like virus
③B/Austria/159417/2021(B/Victoria lineage)-like virus
で、日本の4価のワクチンは、Bの山形系統が含まれて、
①と③がWHOの推奨株と同じで、
②が、
A/カリフォルニア/122/2022(SAN-022)(n3h2)
となって、山形系統が
B/ブーケット/3073/2013(B山型系統)
となっています。
フルミストは3価で注射型は4価ですが、注射型には流行する可能性がないB山形系統が含まれているので、実質的には3価のワクチンと同じです。
ちなみに成人(19歳以上)に対するフルミストは日本国内での治験がされていませんので、そもそも19歳以上への適応がありません。
本年度のインフルエンザワクチンの供給量は、成人量で約2734万本で、昨年度の約3135万本よりは13%ほど少なく、また本年度のフルミストの供給量は約130万本といわれており、フルミストが品薄となる可能性があります。
今年もインフルエンザの予防接種の時期になりました。
本年度の特徴は、2歳以上で18歳以下だけが対象の、注射ではない点鼻型生ワクチン(=フルミスト)が使えるようになることです。
生後6ヶ月から接種は可能で、注射の場合は、2歳以下が1回0.25mlの2回接種、3歳以上で12歳以下が1回0.5mlで2回接種、13歳以上が1回のみの接種となります。
2回の接種はおおよそ3~4週間空けて接種します。
初回接種の年齢で接種量と回数が決まりますので、例えば1回目が2歳で2回目が3歳でも投与量は一回0.25mlですし、1回目が12歳で2回目が13歳でも、2回接種となります。
子供さんと一緒にその保護者の方も予約は可能で接種ができます。
他の予防接種と比べると確かにその予防効果は劣りますが、他に予防するべき手段がありませんので、積極的な接種をお勧めします。
注射型でも点鼻型でも、新型コロナウィルスワクチンや他のすべての予防接種との同時接種も可能です。
もともとは、年末から流行し始めて春には落ち着いていたインフルエンザですが、十数年前からは冬場の流行と春から夏にかけてインフルエンザの数回の小流行がありました。
熱帯や亜熱帯の地域では、以前からインフルエンザは年に2回(雨季と乾季に)流行することが知られていますので、亜熱帯の沖縄ではインフルエンザが年に数回流行しても不思議ではないです。
4年前に新型コロナウィルス感染症が流行し始めてからは、インフルエンザの患者さんがほとんどいない状態でしたが、新型コロナウィルス感染症が少し落ち着いてからはまたインフルエンザが流行し始めています。
インフルエンザは予防接種が重要だ、と考えます。
インフルエンザの予防接種は冬に1回だけ流行することが前提で作られていますので、年に1度の接種です。
A型が2系統(いわゆるA新型インフルエンザ系統、A香港型系統)、B型も2系統(Bビクトリア系統、B山形系統)の合計4系統が含まれる(=4価)のが、現在のインフルエンザワクチンです。
昨年度からWHO(世界保健機構)は3価(Aが2種類とBが1種類)のワクチンを提唱していますが、それは新型コロナウィルスが流行した結果としてB型の1系統の山形系統は絶滅した、と考えられているからです。
実際に本年度からはアメリカではインフルエンザワクチンは全て3価となっています。
毎年南半球の流行状況を見て、WHOがインフルエンザの予防接種の内容(株)を勧告して、北半球の各国がその国の事情に応じて内容を決定して、主に鶏卵を使って作るものです。
なので、ワクチンの内容・組成は毎年少しずつ変化があります。
フルミストは、当院では輸入品として2013年から使用してきたflumist(アメリカでは2003年から使われています)の国内版であり、両方の鼻腔に01mlずつ霧(=mist)を噴霧するインフルエンザ(=flu)生ワクチンで、注射ではありませんので痛みがないのと1回で済むこと、弱毒性の生ワクチン<抗体が長持ちすることが期待できる>であること、が優れている点で、当院はそれをより強く推奨します。
注射製剤のワクチン自体には、卵の成分はほぼ含まれていない(大体4~5ナノグラム/ml、つまり3歳で接種したら一回に2~2.5ナノグラムで、”ナノ”は10億分の1を表します。卵アレルギーで敏感な人は1mgの摂取でも症状がでる、と言われていますから、ワクチンにはその100万分の1程度しか卵の成分が含まれないのです。)ので、卵アレルギーのある方でも安全に接種できます。
アメリカでも、AAAAI(米国アレルギー喘息・免疫学会)やAAP(米国小児科学会)などは連名で、インフルエンザの予防接種を受けるときには卵アレルギーは特段考慮することもない、と声明を出しています。
なお、輸入品ではありますが、2歳以上で49歳以下が適応の1回のみの点鼻型生ワクチン(生インフルエンザワクチン)のflumistも今年度も準備中です。
2歳から18歳の方はフルミストを選択してください。
flumistは11月初めに入荷の見込みです。
フルミストもflumistも3価です。
卵アレルギーがあってもフルミストやflumistは接種できます。
従って年齢よっては注射や点鼻の回数と適応が異なり、まとめると、
生後6か月から1歳まで ;2回の注射
2歳以上で12歳まで ;2回の注射、または1回の点鼻(フルミスト)
13歳以上18歳まで ;1回の注射、または1回の点鼻(フルミスト)
19歳以上で49歳以下 ;1回の注射、または1回の輸入品の点鼻(flumist)
50歳以上 ;1回の注射
となります。
参考までに、2024~2025年のWHO(世界保健機構)の推奨株は3価で、アメリカCDC(疾病予防局)はそれに従い、、
①A/Victoria/4897(H1N1)pdm09-like virus
②A/Thailand/8/(H3N2)-like virus
③B/Austria/159417/2021(B/Victoria lineage)-like virus
で、日本の4価のワクチンは、Bの山形系統が含まれて、
①と③がWHOの推奨株と同じで、
②が、
A/カリフォルニア/122/2022(SAN-022)(n3h2)
となって、山形系統が
B/ブーケット/3073/2013(B山型系統)
となっています。
フルミストは3価で注射型は4価ですが、注射型には流行する可能性がないB山形系統が含まれているので、実質的には3価のワクチンと同じです。
ちなみに成人(19歳以上)に対するフルミストは日本国内での治験がされていませんので、そもそも19歳以上への適応がありません。
本年度のインフルエンザワクチンの供給量は、成人量で約2734万本で、昨年度の約3135万本よりは13%ほど少なく、また本年度のフルミストの供給量は約130万本といわれており、フルミストが品薄となる可能性があります。